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台湾でのインプラント世界各国で抜歯部位に第三の歯としてインプラント治療が行われています。 台湾も例外ではありません。台北の街を歩かれていますと「人工植牙」「無痛植牙」「微創植牙」「快速植牙」といった看板が所狭しと掲げられています。インプラント治療が一部の患者さんに恩恵を与えていることは事実です。台湾の歯科医師の数は約1万5000人。 そのうち口腔インプラントの認定歯科医師というのは約140人に過ぎません。日本の大学もそうですが、台湾のほとんどの大学の歯学部にはインプラント治療に関するカリキュラムが組み込まれていません。卒業してから、ほんの数日間での講習会を受けただけで手術を行なう先生、難関の研修医選抜試験を潜り抜けて大学付属病院でインプラント治療を専攻し、苦労して学会で認定医の資格を取り治療に当たっている先生、インプラント製造メーカーが主催する欧米の短期研修コースに参加して、実績は全くないが証明書のようなものだけを頂いてきて医院に飾って治療している先生などがいるため、医師の質が不揃いで、治療費もピンからキリ(インプラントの製造国・種類によって)相当大きく差があると云えます。 近年台湾でも、不備な治療や過剰埋入によるインプラント関連のトラブル(インプラント脱落・咬合問題・感染症・顔面麻痺・舌麻痺・隣歯の神経損傷・歯槽骨損傷・死亡)が多発し問題になっていることが報じられています。台湾の衛生省によりますと「台湾でのインプラント治療は専門医でなくても治療を行うことができるが、医師の専門知識や技術など、治療の品質を管理する有効な制度は整っておらず、患者がインプラント治療を受ける際には、その医師が口腔インプラント学会などから認定を受けているかどうか、又口腔外科医若しくは大学病院で現役インストラクターとしての実質的な実績があるかどうかを事前に自ら確認することが望ましい。」とコメントしています。素人である患者さんの自己責任による選別に頼るしかありませんので、実に心許無いことしかりです。
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インプラントには製造国・製品別がある世界で出回っているインプラントの種類は約200以上、インプラントを製造している会社は日本国内だけでも50社以上に上りますが、多くの患者さんは、インプラントとは、1種類でどこで埋入してもらっても同じものが入ると思っているようです。 自動車メーカーや車種によってその性能が全く違ってくるように、インプラント治療も個々の医師の技術、実績(学会や他の不定多数の医師からの評価を指します)設備、器具、衛生管理も全く異なります。そうしたプロセスが違うのですから、当然の結果としてのインプラントの耐久年月が全く違ってきます。なので、インプラントに関してもしっかりした事前調査が必要であると言えます。 インプラントはアフターフォローの事を考えますと、世界的に補修用パーツが手に入りやすいメーカーの製品が良いと思います。異なる製品間ではバーツに殆んど互換性がないからです。日本国内に出回っていないメーカーの製品を使用すると、問題があったときに日本で対応出来なくなるという事もありますので、海外で治療を行なう方は必ず使用メーカー名・製造国を確認しましょう。日本語は通じないかもしれませんが、大学病院・総合病院内の補綴インプラント科で教鞭を執られている医師(開業なさっていて非常勤でも良いが、この分野の現役インストラクターであることが台湾でのポイント)に受診された方が言葉の問題よりも重視すべきことで、一番無難だと思います。こういったインストラクターはアメリカ・スイス・スウェーデン留学出身の医師が多いので英語での対応は問題ありません。臨床データが整って世界に流通しているメーカーの製品を好んで使用していますし、世界的に名を馳せている先生もいらっしゃいます。激安インプラントにはわけありものが多いので特に注意が必要です。世界的に流通している信用あるメーカーの製品は、バーコード・ナンバーが付いていますので、本物かどうか必ず確認するようにして下さい。
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本当にもう抜歯しかないのか?本当にインプラントに精通している医師は、ご自分の専門性に誇りを持っていますので、同じように保存科の専門性を尊重する傾向が高く、安易に抜歯は口にしません。逆に、保存科に保存可能かどうかという確認を得てから抜歯を提案するものです。 ただ、残念なことに、根っこの先に膿があるからと、安易に抜歯を薦めてインプラントをする医師がいます。個人的には、抜かずに治療可能な歯は保存すべきであると考えており、特に根の先に膿があるから抜歯されたといった残念な結末になる前に、根の再治療が得意な医師や保存科を受診し、それでも治癒傾向を示さない場合は、その時点で初めてインプラントを考えても遅くはないはずだと思います。
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安いから台湾で審美治療?最近の美容整形、審美治療の技術の進歩は目を見張るものがあり、職業柄止むを得ない方が、それで救われている事も分かりますが、安易に身体を弄ったり、健康な歯を無残に削って真っ白い人工歯に替えますと将来的に思いもよらない後遺症で苦しむことになります。個人的に、ホワイトニングはどこでやってもそれほど大きな品質差は出にくい様に思います。 実情はなかなか表に出ていませんが、ホワイトニング、ラミネートなどと云った審美歯科関係や美容整形関係の医療トラブルが多く、問題視されています。裏表の無い正しい情報を仕入れて、冷静な判断をしてから行なって下さい。どうしても受けたい場合は、体質と口腔内がホワイトニングに適している状態であるかどうか責任を持って綿密なチェックをしてくれる医師、歯の修復治療が丁寧な医師を探すことにポイントを置いて下さい。虫歯や不完全な詰め物がされてありますと、歯との隙間からホワイトニング剤の刺激を受けて歯髄炎を起こしたり、現時点で起こらなくても、将来的に神経が死んでしまう可能性がありますので、修復治療が上手な医師の方が安心です。虫歯・歯軋り・歯周病・無カタラーゼ症・アレルギー体質のある方は、当日すぐにホワイトニングが受けられないのでご注意下さい。 実際、ホワイトニングが得意な医院というのはありません、どこで誰が処置しても大差はないです。歯科助手に操作させている医院もありますが、これは違法で看護士や歯科衛生士でさえ法的に操作する資格は持っておりません。歯のホワイトニングをネイル・アートかエステのように考えている方がいますし、お薦めしている医院もあります。ホワイトニングというのは短時間で人為的に歯の表面を漂白するわけで、程度に違いはありますが、歯へのダメージが全くないはずがありません。一年ほどで後戻りもしていきますので、慎重に検討なさってから受けられたほうがいいかと思います。
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